2021.10.06 Update
環境省の2022年度概算要求、脱炭素先行地域づくりに200億円
環境省の2022年度予算の概算要求では、脱炭素先行地域づくりを支援する事業に200億円が新規計上されました。いよいよ脱炭素ドミノの口火が切られます。
一般会計、エネ特ともに対前年比で3割増に
環境省の2022年度予算の概算要求は、一般政策経費等で1,904億円(対前年比129%)、エネルギー対策特別会計で2,173億円(同135%)となりました。
脱炭素社会への移行には「今までの延長線上ではない、社会全体の行動変容に向けて、あらゆる主体の取組の更なる後押しと、ライフスタイルの転換が必要である」とし、4つの新規重点施策を計上しました。そのうちのひとつが、地方自治体の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」です。
「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」に200億円
(出典:環境省)
地方公共団体が脱炭素先行地域づくりに取り組むための支援事業として、新規に200億円が割り当てられました。脱炭素に向けた意欲的な取り組みに対し、2030年までの複数年にわたって継続的・包括的に支援するとされています。
事業内容は、市町村などを対象とする「脱炭素先行地域への支援」と都道府県などを対象とする「重点対策に取り組む地域への支援」の2つ。交付率はいずれも4分の3~2分の1です。
市町村向けの「脱炭素先行地域への支援」
民生部門の電力消費によるCO2排出量を実質ゼロとすることなどが要件とされました。支援内容は、下記の①を前提に②③を組み合わせることとされています。
①地域の再エネポテンシャルを最大限活かした再エネ等設備の導入
- 太陽光、風力、中小水力、バイオマス、 再エネ熱・未利用熱利用設備など
②地域再エネ等の利用の最大化のための基盤インフラ設備の導入
- 蓄エネ設備、自営線、熱導管、再エネ由来水素関連設備、エネマネシステムなど
③地域再エネ等の利用の最大化のための省CO2等設備の導入
- ZEB・ZEH、断熱改修、電動車など
都道府県向けの「重点対策に取り組む地域への支援」
地域脱炭素ロードマップの重点対策に取り組むことなどが要件とされています。国の基準や目標を上回る複数の重点対策の取り組みに対し支援が行われます。
具体的には、自家消費型太陽光発電、地域共生・裨益型の再エネ導入、ZEB・ZEH、断熱改修、電動車の導入などが挙げられました。こちらも同じく、交付率は4分の3~2分の1です。
第一弾の脱炭素先行地域、来春にも選出か
この交付金の概要から、脱炭素先行地域に対する支援が手厚いものになることがわかります。すでに地方自治体の間でも脱炭素先行地域の創出に対する関心は高まっており、環境省が行った説明会には700超もの地方自治体が参加したとのことです。
9月17日には、第1弾の脱炭素先行地域20~30箇所を来春にも選出すると報じられました。注目が集まる地方自治体の脱炭素化から目が離せない状況が続きます。
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook