2020年度の温室効果ガス排出量は11億4,900万トン、環境省が速報

2022.01.31 Update

温室効果ガス CO2

2020年度の温室効果ガス排出量は11億4,900万トン、環境省が速報

2020年度の温室効果ガス排出量の速報値が発表されました。前年度から約5%減少し、11億4,900万トンと、初めて12億トンを切りました。

前年度から5%減少で初の11億トン台に

12月9日、環境省と国立環境研究所は、2020年度の温室効果ガス排出量の速報値を発表しました。2020年度の温室効果ガスの総排出量は二酸化炭素(CO2)換算で11億4,900万トン、前年度に比べて6,200万トン(5.1%)減少しました。

これは、2013年度の排出量14億800万トンと比べると、2億5,900万トン(18.4%)減少したことになります。

(出典:環境省『2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について』)

これまでの温室効果ガス排出量の推移をみると、2013年度を境に徐々に減っていることが確認できます。特に、2020年度にはこれまでの12億トン台を下回り、大きく減少するとみられます。

なお、今回発表されたのは速報値のため、2022年4月に公表が予定されている確報値とは差異が生じる可能性があります。

代替フロン類除く温室効果ガスは減少の傾向

2020年度の速報値の内訳をみると、CO2、メタン、一酸化二窒素はいずれも2013年度と比べて減っています。その一方で、代替フロン類のみが増加の傾向にあることがわかります。

(出典:環境省『2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について』)

代替フロンの内、大半を占めるハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は、エアコンなどの冷媒として使用されるものです。これまで冷媒として使われてきた「特定フロン」は、オゾン層を破壊するため、こうした「代替フロン」を使用するように転換が進められているのです。

政府、「クリーンエネルギー戦略」策定へ

政府は、2030年までに温室効果ガス排出量を2013年と比べて46%削減する目標を掲げています。さらに、50%削減の高みを目指すことも明らかにしています。今回発表された速報値によると、2013年からの排出削減量はこの目標の約4割に相当します。

1月18日には、内閣官房が「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者会議を開催しました。「クリーンエネルギー戦略」とは、温暖化対策を成長につなげるための戦略だとされています。さらなる排出量の削減とともに、脱炭素に関する新産業を創出するなど成長との両立が求められています。

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook