2023.11.24 Update
サンフランシスコのゴミ事情って? 分別はシンプルな3パターン
米国サンフランシスコは、カリフォルニア州の経済、産業の中心地です。世界中から人々が集まるサンフランシスコでは、どのようなゴミ処理が行われているのでしょうか。街の風景から見えてきたサンフランシスコのゴミ事情を深掘りします。
青・緑・黒のゴミ箱で3種類に分別
(Recology社の青色と緑色のゴミ箱。筆者撮影)
サンフランシスコの街中を歩いていると、店舗などの軒先に置かれた青・緑・黒のゴミ箱をよく見かけます。よく見ると、青色のゴミ箱には「Recyclables(リサイクル)」、緑色のゴミ箱には「Compostables(コンポスト)」、黒色のゴミ箱には「Trash(埋め立てごみ)」と書いてあります。実は、これらはゴミの分別方法を表しているのです。
青色のリサイクル用のゴミ箱には、紙やプラスチック、ビンや缶、金属類などを入れます。例えば、紙袋や新聞紙、包装紙、プラスチック容器などと、ビンや空き缶などを同じゴミ箱に捨てることができます。
可燃ごみと不燃ごみを同じゴミ箱で捨てるのは、日本のルールに親しんだ立場から見ると違和感を感じてしまいますが、サンフランシスコでは「リサイクル可能かどうか」という視点がゴミ分別の大きな基準になっているようです。日本と比べると、非常にシンプルな分別だと言えるでしょう。
(Recology社の青色のゴミ箱の蓋に貼られている分別ラベル。筆者撮影)
また、ゴミ箱の蓋には、どのようなゴミを入れて良いか、写真を用いてわかりやすく示されています。サンフランシスコには大きな中華街などがあり、アジア圏の人々も多いため、英語だけでなく中国語でも表記されています。
(Recology社のコンポスト用のゴミ箱。筆者撮影)
次に、緑色のゴミ箱はコンポスト用。生ゴミや食べ物が入っていた容器、植物などを捨てます。緑色のゴミ箱で回収されたゴミは、栄養たっぷりの肥料となって、郊外の農園で活用されるとのことです。ちなみに、サンフランシスコ国際空港内のフードコートなどに設置されているゴミ箱も「リサイクル」と「コンポスト」の2種類に分けられています。
そして、街中ではあまり見かけない黒色のゴミ箱は、リサイクルできないゴミを捨てるためのものです。埋め立て処理される小型家電などが捨てられるため、住宅街などでは見ることができるかもしれません。
サンフランシスコのゴミ処理を担うRecology社
(Recology社のゴミ収集トラック。出典:Sundry Photography by istock)
サンフランシスコのゴミ処理は、Recologyという会社が行っています。同社は、カリフォルニア州だけでなく、オレゴン州やワシントン州などでもゴミ処理を担っており、顧客は250万軒を超えています。
ゴミ処理にあたっては、日本と同じように同社のトラックが街中を走りまわり、前述のゴミ箱からゴミを回収します。同社では、ゴミ処理トラックの約9割を電動化や再生可能天然ガスを燃料とする車両に切り替えることで、トラックからのCO2排出量を3年間で44%削減しています(2019〜2022年)。
また、ゴミ処理施設で使う電気の90%を、再エネ電気やカーボンフリー電気に切り替え、埋立地で発生するガスを再利用して発電も行っているとのこと。さらに、2028年までに、自社施設で使う電気を100%再エネ電気やカーボンフリー電気とし、埋立地からのガスの再利用率を75%に引き上げるとしています。
日本のゴミ処理とは相違点も多くありますが、CO2削減に向けて、ゴミ収集車の電動化などは参考になる取り組みではないかと感じました。ゴミ収集車を電動化すると、騒音や排気ガスなどの問題も併せて解決できるかもしれません。
(参考:https://www.recology.com/)
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook