2024.03.27 Update
地域の関係人口創出、6件の優良事例を選定。地方創生SDGs官民連携プラットフォーム
内閣府は3月4日、「地方創生SDGs国際フォーラム2024」で官民連携の優良事例6件を表彰しました。これは、地方創生SDGs官民連携プラットフォームにおいて、SDGsの達成や地域課題の解決などに向けた取り組みを募集し、先進的な事例を選定したものです。地方がいかに楽しく関係人口を増やしていくか、持続的な活動のためにどのように資金調達を行うかなど、モデルケースとなる取り組みを紹介します。
55件の応募から優良事例6件を表彰
地方創生SDGs官民連携プラットフォームでは去年10〜12月、SDGsの達成や地域課題の解決などに向けた官民連携による取り組みを募集しました。合計55件の応募があり、一般投票による一次選考、有識者による二次選考を経て、下記の6件の優良事例が選定されました。また、そのうち1件は、特に地域の模範となる先進的な事例として、内閣府地方創生推進事務局長賞に選ばれました。
内閣府地方創生推進事務局長賞
- 歴史的資源の活用と古民家再生でつなぐ持続可能なまちづくり支援(岐阜県美濃市・株式会社十六銀行)
概要:歴史的な資源の継承や古民家の利活用などの地域課題に対して、美濃市と十六銀行が共同出資した「みのまちや」が中心となって古民家再生事業や地域課題の解決に取り組み、美濃市の宿泊者数が過去最高になりました。
プラットフォーム会員間連携部門
- 楽しく買い物しながらロス削減と寄附をする無料の福利厚生施策(神奈川県・株式会社ファーストクラス)
食品ロス削減のために賞味期限が近い食品を割引販売するECサイト「クローズドマート」を運営するファーストクラスが神奈川県と協定を結び、従業員規模人関わらずサービス利用を可能にして、福利厚生の充実を図り、売上の3%を寄付して食品ロス削減の取り組みを拡大しました。
- 既存施設のシェアリングにより周遊旅行の活性化を推進する取組み(熊本県天草市・トラストパーク株式会社(九州周遊観光活性化コンソーシアム))
公共施設などのスペースをシェアして活用する「車泊」のモニターツアー実証実験を実施し、データを収集してニーズや課題を可視化することで、地域の付加価値の向上に取り組んでいます。
一般部門
- 学校と社会人をつなぐ「ゲストティーチャーマッチングサイト」(奈良県生駒市・株式会社ユニーク)
学校外のつながりを得るため、10〜20代の社会人をゲストティーチャーとして迎え、授業をしてもらう取り組み。事前に人選をしやすくする仕組みやオンラインで無償でゲストティーチャーを迎えることで、依頼のハードルを下げました。
- 「梅ワー」でウェルビーイングな地域活性と関係人口創出(和歌山県みなべ町・一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会)
和歌山県みなべ町の特産である梅の収穫時期の人手不足解消に向け「梅収穫ワーケーション(梅ワー)」を実施し、人手不足の解消だけでなく、関係人口の増加にも成功しました。
- カルビー miino 粟島 一人娘プロジェクト(新潟県粟島浦村・カルビー株式会社)
カルビーの豆スナックである「miino」のブランディング施策として、希少な在来種の青大豆「一人娘」の存続と人口減少などの課題を解決する農業モデルをデザインしました。耕作放棄地を開墾し、同社社員やファン、学生などが来島して栽培支援を行うことで、「物語と体験の共創」へとビジネスモデルをシフトしました。
「いかに楽しく関係人口を増やすか」が焦点
これらの優良事例を通じて、人口減少などの地域課題を解決する方法として「いかに楽しく持続的に関係人口を増やしていくか」という観点が重要であることがわかります。楽しんで取り組むからこそ、さらに地域のファンが増え、取り組みが持続していくのではないでしょうか。
それと同時に、取り組みの持続可能性には資金調達も重要です。多様なステークホルダーが積極的に関わることで、取り組みが今後も持続し、地域の魅力が開花することを期待しています。
(参考:https://future-city.go.jp/platform/case/)
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook