2021.10.28 Update
2021年度スマートシティモデルプロジェクト、DXで目指すSociety 5.0
2021年度のスマートシティ関連事業の選定結果が公表されました。国土交通省による「スマートシティモデルプロジェクト」には、合計10事業が選ばれています。
「スマートシティモデルプロジェクト」とは
「スマートシティモデルプロジェクト」とは、先駆的で全国のスマートシティのモデルとなる取組みを支援する、国土交通省の補助事業です。スマートシティに関する実証実験などを対象とする補助事業で、2019(令和元)年度から始まりました。
今年で3回目を迎えたスマートシティプロジェクトには、これまでも多様な取組みが選定されています。例えば、さいたま市の大宮駅周辺をICTや次世代モビリティによって便利なインフラ拠点とする「さいたま市スマートシティ推進事業」などが挙げられます。
ユニークなところでは、新潟市においてマンガやアニメのコンテンツなどを活用し、既存の商業や観光を活性化させ、クリエイティブな市を目指す取組みも行われています。
選定された事業は、関係する府庁や大学・研究機関、経済団体などによる官民連携プラットフォームのサポートを得ながら、早期の社会実装を目指します。
デジタルやドローン活用する個性豊かな先行モデル
2021年度の予算規模は2億2,000万円で、1事業あたり最大2,000万円の補助が行われます。今年度は、先行モデルプロジェクトと重点事業化促進プロジェクトのそれぞれに新たに5事業の合計10事業が選ばれました。デジタルをキーワードとした個性豊かなプロジェクトばかりです。
先行モデルプロジェクトから2地区の取組みを抜粋してご紹介します。まず、東京都港区の「Smart City Takeshiba 実行計画」は、竹芝地区の街並みを3Dで立体的に再現し、防災や都市計画に役立てようとするものです。
建物や道路の高低などもリアルに再現されるため、人の流れも具体的にシミュレーションすることができます。地区内の避難施設からの一斉避難などをシミュレートし、防災計画に役立てることが期待されています。
次に、和歌山県すさみ町の「すさみスマートシティ実行計画」では、災害時にドローンなどを活用した支援物資の配送などを目指しています。避難所と道の駅などの間の物資供給依頼をデジタル化し、効率的な配送による防災体制を構築するとしています。
一方、計画策定のためのノウハウ支援などを行う重点事業化促進プロジェクトには、北海道更別村や宮崎県延岡市などが選ばれ、各地域の強みを活かしたプロジェクトが進められることになりました。
Society 5.0 で目指す未来の社会
こうした国土交通省のスマートシティモデルプロジェクトなどを通して政府が目指すのは「Society 5.0」と呼ばれる未来社会です。Society 5.0とは、仮想空間をうまく利用することで、現実にあるさまざまな課題を解決し、人間中心の社会を目指すというコンセプトです。
IoT(Internet of Things)のテクノロジーによって、人とモノがつながり、利便性の向上や課題解決につながると考えられています。ここでもキーワードは「デジタル・トランスフォーメーションや「DX」と呼ばれるデジタル化です。
こうしたイノベーションが社会に広がる足掛かりとなるのが、スマートシティモデルプロジェクトです。テクノロジーの活用の仕方によって無限の可能性をもつスマートシティ。少し先の未来では、こうした地域のあり方が当たり前になっているかもしれませんね。
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook