2022.11.17 Update
第2回脱炭素先行地域、20件が選定。関係者との合意形成など重視
11月1日、第2回脱炭素先行地域の選定結果が発表されました。環境省によると、選定されたのは20件で全国53の地方公共団体から50件の計画が提出されたとのことです。どのような地域が選ばれたのか、ご紹介します。
前回不選考だった地域の多くがリベンジに成功
はじめに、脱炭素先行地域とは、民生部門(家庭部門・業務その他部門)の電気の使用によるCO2排出を実質ゼロにするとともに、運輸部門や熱利用なども含め、地域の特性に応じながら温室効果ガス全体の削減を目指す地域のことです。環境省の「地域脱炭素ロードマップ」では、少なくとも100ヶ所の脱炭素先行地域を選定し、2050年までに地域脱炭素の計画を実行することを求めています。
今年1〜2月にかけて行われた第1回公募では、26件の脱炭素先行地域が選定されました。第1回脱炭素先行地域の選定結果については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。(参考:スマートシティニュース『脱炭素先行地域、第1回は26件に決定! 先進性とモデル性を重視』)
第2回公募で選定されたのは以下の20件です。農村・漁村・山村から離島、都市部まで、さまざまな特性をもつ地域が選定されています。今回選ばれた地域の多くは第1回公募で惜しくも不選考だったとのことで、念願が叶った地域では喜びもひとしおだったことでしょう。
(出典:環境省『第2回 脱炭素先行地域の概要』)
関係者との合意形成など推進体制を高く評価
第2回の脱炭素先行地域公募では、前回の選定で重視された「範囲の広がり・事業の大きさ」「関係者と連携した実施体制」「先進性・モデル性」に加えて次の5つのポイントが特に評価されました。そのポイントとは「関係者との合意形成」「新たな再エネ設備導入の確実性」「事業性の確保」「地域経済循環への貢献」「地域の将来ビジョン」です。
今回選定された20件の多くが、電力・ガスなどエネルギー事業者との共同提案でした。このことからも、関係者との合意形成や事業の遂行能力が高く評価されたことがわかります。
第1回と第2回の公募を経て合計46の地域が選ばれ、少なくとも100という目標の半分に近づきました。また、選定結果の総評などから、公募においてはどのような点が重視されるのかも浮き彫りになってきたといえるでしょう。第3回の脱炭素先行地域公募は来年度になるとみられますが、どのような計画提案が集まるのか、早くも楽しみです。
「制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook」