2023.07.19 Update
伊丹市・飯南町・阪南市、カーボンクレジットの創出と活用で官民連携
兵庫県伊丹市、島根県飯南町、大阪府阪南市は、官民共創プラットフォームを提供するソーシャルエックスとともに、カーボンクレジットの創出・活用に向けて取り組んでいます。地域脱炭素を推し進める方策のひとつとして、カーボンクレジットが注目されています。
カーボンクレジット 創出・活用の両面で脱炭素を促進
カーボンクレジットとは、簡単にいうとCO2削減量を取引できるように証書などの形にしたもの。カーボンクレジットの取引では、売り手は排出削減の取り組みの対価を得られ、買い手は排出枠を手にすることができるメリットがあります。つまり、カーボンクレジットの創出と活用の両面で排出削減を促進できるのです。
カーボンクレジットには、大きく分けて、国が認証・発行するクレジットと民間企業が認証・発行するものがあります。現在、国内で流通している主なカーボンクレジットとしては、公的機関が認証・発行しているJ-クレジットがあります。再エネ電力など一部のJ-クレジットは、温対法などの国内法への報告、CDP・SBT・RE100など国際イニシアチブへの報告に活用でき、商品やサービス、イベントなどのCO2排出量を相殺するカーボン・オフセットにも利用できます。
(J-クレジット制度の概要。出典:J-クレジット制度事務局)
民間企業の間でのカーボンクレジットの取引としては、経済産業省と東京証券取引所が今年10月に「カーボン・クレジット市場」の開設を計画しており、第一弾としては国内ですでに普及しているJ-クレジットの取引を予定しています。
伊丹市・飯南町・阪南市 地域特性を活かした新たな官民連携
兵庫県伊丹市、島根県飯南町、大阪府阪南市は4月10日、官民共創プラットフォームを提供する株式会社ソーシャルエックス(東京都渋谷区)と「脱炭素社会実現に向けた地域循環共生に関する連携協定」を締結しました。
(脱炭素に向けた地域循環共生圏。出典:飯南町)
協定では、脱炭素に向けた地域循環共生圏を構築し、資源循環の一環として新しいカーボンクレジット「ソーシャルクレジット」を創出するとし、飯南町・阪南市の森林や海洋資源、伊丹市の太陽光発電などによる創出を計画しています。また、創出したクレジットは、脱炭素に貢献する新規事業の立ち上げに取り組む企業に向けて活用し、新たな環境・経済の好循環を生み出すことを目指しています。(ソーシャルクレジットとは「各社会課題解決に貢献する、新しい価値を持ったカーボンクレジット」を意味する造語)
それぞれの地域特性を活かした取り組みで排出削減に取り組むだけでなく、そこで生まれた価値をカーボンクレジットとして、企業の新規事業に活用するという取り組み。官民連携の新たな形として広がりが期待されます。
(参考:脱炭素社会実現に向けた地域循環共生に関する連携協定の締結(4月10日) – 飯南町公式ホームページ)
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook