2024.06.07 Update
「スマートアイランド推進プラットフォーム」が設立、産学官で離島の課題解決目指す
日本に1万4,000島以上ある離島のうち、人が住んでいるのは417の島。こうした島々では、地理的な条件などからさまざまな社会課題が加速度的に進んでいます。こうした背景を受けて、離島と企業との連携によって課題解決を目指す「スマートアイランド推進プラットフォーム」が設立されました。
デジタル技術で離島の暮らしをもっと豊かに
国土交通省では、離島が抱える課題を解決するために、「スマートアイランド推進実証調査業務」を実施しています。スマートアイランドとは、離島が抱える課題を解決するために、情報通信技術(ICT)などの新技術・デジタル技術の実装を目指す取り組みのこと。実証調査では、民間企業・団体と共同での取り組みを公募し、実装に必要な実証調査を行います。
新しいテクノロジーをうまく活用すれば、地理的にさまざまな制約があったとしても、暮らしの利便性や生産性を向上することができます。この実証調査を通じて、全国の離島ではユニークな取り組みが行われています。
例えば、広島県の大崎上島町では、大崎上島と本土を結ぶ連絡船として、小型EV船を活用した「自律航行オンデマンド水上タクシー」の実証運航を行いました。水上タクシーがあれば、従来のフェリーの運航時間外である早朝や夜間でも移動できるようになります。島の人々の利便性が高まり、多様な人材が自由に往来しやすくなると期待されています。
実証運航では、小型EV船の自律運航で100km以上の航行が可能なこと、島の人々の生活の質の向上に役立つことなどが確認されたということです。同時に、需要の小さい離島で事業を行うにあたっては、採算性を高めるための戦略や具体化が必要であるという課題も浮き彫りになったとしています。
離島のパートナーになる企業を募集
5月15日には、産学官が連携して情報交換や発信を行う場として「スマートアイランド推進プラットフォーム」が設立されました。離島自治体をはじめ、スマートアイランドや離島振興に関する実績のある企業や団体などは会員として、スマートアイランドの推進に意欲のある企業や団体は、オブザーバーとして参加することができます。
同日から、会員やオブザーバーの登録が開始されました。登録はいずれも無料で、登録すると、必要に応じてプラットフォーム事務局によるマッチングや交付金のサポートが受けられるとのことです。
離島における社会課題を解決する技術をもつ企業や、地域社会への貢献、官民連携によってビジネスを広げたいと考える企業にとっては、大きなサポートになるでしょう。こうした企業が離島に根を下ろしてパートナーとなるとともに、離島で新しいことにチャレンジしたいと考えている人や企業にとっても、活用しやすい舞台となるように期待します。
(参考:https://smartisland.mlit.go.jp/)
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook