2023.05.12 Update
スマートシティサービスの5つのユースケースを整理。国土交通省
国土交通省は4月26日、スマートシティサービスの検討・実装を支援するため「スマートシティサービスの連携ユースケース」を作成しました。これは、全国各地のスマートシティサービス事例をもとに、複数のサービスの連携事例を5つのパターンに整理したものです。
5つのユースケース 全体像からデータまで整理
全国の自治体でスマートシティに関する取り組みが進められていますが、スマートシティ先進都市の間では、新たなスマートシティサービスの創出や、分野や都市の垣根を超えてサービスを展開することに苦慮しているという課題があります。
そこで国土交通省は、こうした課題の解決に役立ててもらおうと、全国の事例をもとにスマートシティのユースケースを整理しました。
今回まとめられたのは、観光・地域活性化分野と防災分野の2分野です。全国の事例を以下の5パターンに整理し、それぞれの全体像(イメージ)、サービスの概要、データ体系、技術を詳細にまとめています。
- パターンA:AIカメラを用いて「まちなかの情報」を取得した、データを用いたまちづくり
- パターンB:アプリを用いた「まちなかの情報」の提供による、賑わい創出
- パターンC:パーソナライズ情報提供等による、災害発生時の避難支援の迅速化・高度化
- パターンD:発災箇所のリアルタイムデータの共有等による、情報伝達の迅速化
- パターンE:3D都市モデルを用いた被害状況の可視化等による、様々な防災の取組の高度化
取得データやその活用可能性も見える化
(パーソナライズ情報提供等による、災害発生時の避難支援の迅速化・高度化。出典:国土交通省)
今回のユースケースで特徴的なのは、それぞれのパターンで取得されるデータや、そのデータを活用して実施できるサービスがわかりやすくまとめられている点です。
例えば、防災分野のパターンC「パーソナライズ情報提供等による、災害発生時の避難支援の迅速化・高度化」のモデルケースでは、まず、「顔画像・個人情報」「災害時の住民の位置情報」という2つのデータをインプットします。この取得データを都市OSを通じて活用することで「パーソナライズ化された避難誘導」「顔認証による避難所受付」「家族の安否確認」「アプリを活用した要支援者の救助活動の円滑化」の4つのサービスにつなげることができるとしています。
このようにデータのインプットから活用、アウトプットまでが体系化されたことによって、スマートシティサービスの全体像が明確になったのではないでしょうか。地域の課題を解決するにはどのような技術を利用したら良いのかなど、全国の自治体にとって検討の好材料になると期待されます。
(参考:「スマートシティサービスの連携ユースケース」の公開~更にスマートなまちづくりへ:国土交通省)
制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook